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□ ファイズコラム
最終話までギリギリ好意的なレビューと考察を述べていたe-flick.netですが、物語に不満が無かったわけではありません。 というのも、毎週見に来てくれている人の気分を害するの嫌だし、何より書いている自分の気持ちが荒んでいくのが嫌だからです。 どうしようも無い作品だったらブッ叩かないと気が済まないけど(最近ではハルクとかガンダムフォース)一年間追ってきた番組を一行そこらで切り捨てるような発言は嫌っしょ。 K3さんだってそんなの見たくない。
だから、ファイズ終了直後に「ファイズダメ」論がネットに溢れかえったのはすごく残念だったし哀しかった。

正直言っちゃうとK3さん的にも、ファイズの最終回はかなり不満だった。 事前に他のサイト様の感想なんかを見ていたせいもあるけど、最終話の感想は最終話そのもののレビューではなく、最終話を踏まえた上で今までの謎や登場人物の掘り下げに切り替えた(もともとはそういうレビュー方式を目指していたんだけど)わけです。
しかし、わざわざコラムコーナーとして別ページを設けた以上はごく客観的な視点で割切った発言をしたうえでイロイロと妄想やら補完などをしていきたいと思う。 ファイズ至上主義な人には少々辛辣なトコロがあるかもしれないけど「スキだからこそ言わなければならないこともある」と思って読んで欲しい。

:ファイズを楽しめるライン。
ファイズって言うのは終始「局地的な面白さ」の連続が面白かったわけで、熱中しのめり込んでいる分には気がつか無いんだけど、ふと一歩引いてみたときの全体的なアウトラインがメチャクチャ(というよりか一直線でつながっていない)だったのだと思う。
だから「ファイズは面白い」と思って見ていた人以外にはその整合性の悪さばかりが目に付く結果になったのだと思う。 たぶんこれは制作陣が一番陥っていたのではないか。 逆にミッシングリンクになっている部分を想像したり話しあったり出来る余地が残っているとも言えるのですが。
ただ決して答えが出されることの無いミッシングリンクをどれだけ埋められるかで「ファイズの面白さ」というのは大幅に変わるわけです。 結構好きなんだけどねえ。こういうの。
まあ、それを含みで考えても欠けている部分が多過ぎるのも事実なのですが。

つまりは「一を知り十を知る」ということか。

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:ひどいよ花形パパ
大きく見た物語のディテールを縮めてしまったのは花形の責任だろう。 何と言ってもライダーズギアの放り投げっぷりや最終のしょんぼりぶりが酷い。

まずはベルトの方を話していくと、変身できるかどうかもわからない塾生達に何の情報もなくベルトを送り付けてくる。 とてつもなく分の悪い賭けと分かっていて、だ。 唯一まともな運用が期待できそうだったのはデルタギアのみで、カイザギアを送られてきた塾生はドンドン死んでいくし、ファイズギアにいたっては真理が使えないという大落ち度。 第一話で巧が「偶然」真理と会わなければ、その時点でファイズギアはスマートブレインに回収され、真理は草加と接触しないままになるので、カイザギアで塾生全滅。 デルタギアもいずれ倒されたと考えると、とんでもない確率でスマートブレインの野望は敗れ去ったことになる。
大体花形パパは「変身できない真理が東京までの道中、オルフェノクに目覚めつつも人間のために戦ってくれるオルフェノクに出会う」と予見できたとは思えないです。ハッキリ言ってテキトー過ぎる。
せめて巧に花形から何かしらの連絡(もしくは真理と接触するように仕向ける)があれば必然性が生まれ、無理がなくなったのだが。

最後もオルフェノクは滅ぶべきだ、と予想外の啖呵を切り草加が生き残るコトを望みながら灰化したけど、志を継ぐ草加も誰にもバトンを渡せずに直後に死亡。 パパの死は一体何だったのか…

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:意外と掘り下げられていない乾巧
一年間出続けた割にはよく分からない部分が多い巧。 そんな印象を抱くのは「かつての夢」が語られなかったことに他なら無い。 オルフェノク=怪物である自分を絶望し夢を棄て、人との関わり合いを極端に嫌ったけど、物語が進行する内に真理や啓太郎に感化され、とんがったところが無くなっていったけど、昔の夢を取り戻したわけではない。 最後に抱けた夢もブッチャケ啓太郎の受け売りをそのままパクっただけで、巧自身の心からでた夢だという印象が薄いんですね。
夢なんて何でもよかったんです。 料理人になりたかったとか、格闘家になりたかったとか。 それ一つで劇中の巧の立ち回りも変わっただろうし、巧自身の厚みももっと増したと思う。 何が言いたいかというと「物語開始以前の巧が全く想像できない真っ白な状態」なのが問題なんだと思うわけです。

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:草加雅人は死ぬべきだったのか?
答えはNO。 草加は「人間」にこだわると言うスタンスで最後まで出続けるべきだった。 最後に和解するにせよ決裂するにせよ消えてしまうべきではなかった。 引いて見ると「オルフェノクと人間の共存派以外は改心もせずに排他された」と言う印象が強いんですね。 どうにも収拾がつか無かった&草加の役目が終わったから使い捨てられた感じ。 しかも草加の死自体が物語に影響を与えたとも思えないんですよね。 せめて勇治が後悔なりしてくれれば救いがあった。
ちなみに勇治についてはレビューの方で書くこと書いちゃったので、ここでは何にも書きません。

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:デルタギアは誰が持つべきだったのか。
流転のベルトとして、人から人へ渡り歩いたデルタギア。 結局三原の腰に落ち着いたのだけど、三原君はデルタギアにふさわしかったのか。 K3さん的には三原が啓太郎に代わってても何ら問題はなかったと思う。 むしろ巧の戦いをずっと見ていた啓太郎の方がデルタギアにふさわしかったとさえ思う。 もっとも啓太郎は人間とオルフェノクの橋渡しとしての役目があったのだから、前線で戦うこと自体が番組的には良くないとも考えられるのだけど。
そう考えても三原君には必然性が無い。 いっそのこと皆で使い回すくらいでも良かったほどだ。 レビューの方では応援していたけど、大きく見たとき三原がベルトを巻く必然性というのは薄かった。

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:スマートブレインという存在
SBは設立そのものはオルフェノクの王ためではなかったと思う。 というのも巧の灰化状況を見るとオルフェノクの寿命は20年以下。 20年以下であれだけの大企業を設立するのは…意外と可能か… でも真理や草加が子供の頃に流星塾を造り保護するのは無理っぽいので、花形がSBを立ち上げた当時は極々普通の会社だったと思う。
 
ただ、「オルフェノクと人間の戦い」が昔から連綿と続くモノだとしたら話は別だ。 SBはオルフェノクのために設立された組織と言うことになる。 つか劇場版で社長以上のポストの存在があったことを考えると後者のほうが可能性が高そうだ。 そうなると最終回の解釈が全く変わってくる。
つまり、「何も解決していない」コトになる。 村上、花形、木場、そしてラッキークローバーを失ったものの組織そのものは存続し、いずれ現れるor復活するであろう王のために活動し続けるというのは想像に難くない。
草加が「組織の頭をつぶせば瓦解する」的なことを言ったような気がするけど、それはあくまで一代で成り上がった組織の場合で、延々と続いてきたと仮定した場合のSBにとっては手痛い歴史の一ページにすぎない。

それを踏まえてファイズ2まだあ?

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:スマートレディの扱い一つで変わったよね。
スマートレディにはもっとストーリーテラー的な役割を担って欲しかった。 人間という設定にこだわらず、敵味方を翻弄し戦いに導くような存在。
K3さん的にはSBが昔から存在していたと仮定した場合のスマートレディのスタンスって「永遠の戦いの傍観者」 戦いの度に現れ、人間かオルフェノクかどちら側に少し加担し戦いを端から楽しむ堕天使。 なればこそ最終回のつまらなさそうな顔など良い説明がつくと思うんですけどね。 「あ〜あ、オルフェノクさん達また負けちゃった」みたいな感じで。

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:ラッキークローバーはもっと強く!
全員が北崎クラスの強さでも良かったくらいだと思う。 琢磨君のヘタレっぷりは確かに面白かったけど、その裏でラッキークローバーという「上の上のオルフェノクチーム」という肩書きが薄れちゃったんですよね。
いつまでたっても4つ目の葉が欠けたままだったのも良くなかった。 モー娘。みたいにそこそこのサイクルで入れ替わって行くのもアリだと思う。

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:バトルアクション!
ファイズの一つの魅力として戦闘のカッコ良さというのがある。 子供向けヒーロー番組なんだから必須事項なんだし、事実燃えた。 ドラマパートも含めてだけど実写ドラマとしてみても映像の作り方は国内でもトップクラスだと思う。 龍騎の後半くらいからシビれるカットがすごく多くなった。 ファイズもその流れをバッチリ引き継ぐ形になり、多段クリスマやスーツアクターのアクションに熱狂した人は少なくないでしょう。 特にファイズは中の人がコロコロ変わるのに、中の人準拠でアクション設定が出来ていたのでその辺が顕著だったと思う。
その上で微妙にギミックが生かしきれていない部分が多いのが残念。 具体的にはツールの数々が「戦闘」でしか使われなかったコト。 せっかく「デジカメ」「双眼鏡」とかの設定があるのだから、普段でもそういう使い方して欲しかった。 使ってたの電話だけだもんなあ。 しかもあれ分厚いうえにカメラ付いていないから使いにくそうだもん(笑 三原君もデルタフォン使えよな。
そして、バジン様にもっと出番を(笑

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□ まーそんなわけで
書きたいことをつらつらと垂れ流したようなコラムでしたが、どうだったでしょうか。 こうしてみるとファイズってスゴイ惜しい作品なんですよね。 名作になる要素はいっぱいあった。 それなのに脚本が…ってガンダムSEEDの時にも同じようなコトを言った気がするな(-"-;

とりあえず、これでファイズについて書くことはよっぽどのことが無いかぎり書きません。 これで最後です。 最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではブレイドレビューでお会いしましょう。

2004.1.20 e-flick.net K3

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