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ガンダムSEED終了一週間記念コラム。
方々で全体の感想があがっているネット界ではちょっと後発になりますが、とりあえずパクリ全肯定で全体のまとめみたいな文章です。
どっちかというと、ダメだし&希望が多い。
あと、モノの見方が少しブラックかも。 長文ですが、最後までお付きあいください。

核の使用から、Nジャマー、バッテリーで動くMSなどプロットとしての設定は良かったと思う。 問題なのは距離感や時間の流れなどに統一感が無いことか。
何故世界がこうなってしまったのか?という理由付けはよく出来ていたと思う。 設定部分でこれだけ凝っている地上波のアニメは中々無いだろうし、設定の裏読みでこれだけ楽しめた作品も個人的にはエヴァ以来だと思う。

11機のガンダムや、美少年美少女ばかりだとか、全体的に商業ベースくさい感じは否めないものの、良くも悪くも久々に「楽しむ」ことができた。
このコトに付いてはスタッフに感謝の意を。


始めは「印象に残らない」と言われたBGMだけど、後半に入った辺りでがらりと印象に変わったと思う。 とくにフリーダム登場時(乗るとき)の音楽、舞い降りる剣の時の「ミーティア」、オーブ自爆の時の「暁の車」は場面を盛り上げる音楽としてはこの上なかっただろう。
キャラに、MSに、物語に、叩かれまくっているSEEDだけど、不思議と音楽については不評は聞かないんだよね。 やはり脚本とはちょっと離れたところで監修しているところが良かったのか。
また、オープニング、エンディングは出始めこそは聞きなれない感じの違和感があったけど、最終的にはうまくなじんでいったと思う。
聞き返してみると、その曲のクールの時は、歌詞の内容が反映されるような物語だった。

お気に入りは「あんなに一緒だったのに」
結局はこの曲がSEEDを一番表現していた。


設定が良かったとか、デザインが良かったとかではなく、「カッコよく描けていた」ことが良かったと思う。 正直大河原デザインは少々野暮ったい感じを受けていたんだけど、実際映像で活躍するMSは過剰なまでのヒーロー体型とオーバーアクション気味だったのが幸いして、すごいカッコよく感じた。
特にフリーダムと、ジャスティスはよく頑張ったのではないかと。
つってもバンクの使い回しはひどかったわけだが。

お気に入りMSは実はバクゥ。 ゾイドといわれればそれまでだが、「地上だから4本足」という点は非常に説得力があった。
嫌いなのは後半に出てきた機体全部。(ゲイツは除く)
とりあえず、空飛べる理由がわからん。 技術的にも不可能なはず・・
あとはNJCのところ参照。


ガンダムのMS描写の面白いところは「パイロットが機体の限界以上を引きだす」という点を挙げたい。 Vガンダムのボトムアタックみたいに「こ・・こんな使い方を!」みたいな戦闘の工夫が全然足りなかったのではないか。
面白い戦いをしてくれたのはジャスティスと、最後のデュエル&バスターくらいなものか、あとの連中は「サーベルは切るもの、ライフルは撃つもの」それ以上でもそれ以下でもないつまらない戦いしか出来なかったのが残念。
正直1年間もあるんだから「おお!」と思わせて欲しいのですよ。
しかもこういうのに限って外伝の方は優秀だったりする。


SEED世界の根底を覆す、自己否定兵器NJC。
正直な話、これは出てくるべきではなかったと思う。
コイツの存在で制約のあったMSの稼働時間や核兵器などの封印が解けてしまい、物語はインフラの一途をたどることになった。
特に、フリーダム&ジャスティスの無限の稼働時間というのは萎えるなあ。
制約のある中やりくりすることに面白さを見いだす身としては、シューティングゲームで無敵コマンド入れたときみたいな怠惰感しか感じられなかった。

前半のPSダウンしてしまうかもしれない緊張感。

この感じをもっと大切にすべきだったのではないか.


何も無いキャラだったような気がする。
能力はあるけど使い方がわからないといった感じ。
カガリが「あいつは馬鹿だ」というのは的を得ている。
この雰囲気は最後まで払拭されず、クルーゼとの問答でも否定することしか出来ない。
これがすべて。
フリーダム受領後に、魅力を感じたのは、ラクスから信念めいたものを植え付けられたせいだと思うけど、この魅力も回を追うごとに薄れていき、宇宙へ出るときには無くなっていたんじゃないかな。
だから、いくらキラが物思いにふけっても、回想しか出来なかった。

SEEDの回想シーンの多さの秘密がここに!

そして、キラは監督の投影というか願望の姿らしい。
まとめていてよくわかった気がする。


アスラン自体のキャラは嫌いというわけではないのですが、劇中の扱いというか行動には相当の疑問。
もともと、アスランが戦争に身を投じた理由というのは「ユニウスセブンで母が殺された」ということであり、主要キャラクターの中では一番重い理由なわけである。(イザークやディアッカは好戦的なところがあるし、ニコルは血のバレンタインを見て漠然と戦わなくてはと思っただけ)
いくら相手側に親友のキラがいるとはいえ絶対に譲れない理由だったと思う。
実際中盤まではこのコトに固執していた。
ニコルのことを含め「戦争だからしかたなかった」とキラと和解するには39話の段階では早すぎるんじゃないかと思うわけだ。
カガリとの絡みも同様で二人はお互いに惹かれあうも、立場の違いから思いが届かないもどかしさを演出したほうが悲恋という感じがでたであろう(監督はこの二人をロミオとジュリエットにしたかったらしいが) 早い段階でカガリが戦場出てくれればその雰囲気はより一層強調されたと思う。 もっともそれをやってしまったら、まるっきりMS08小隊であり、F91になってしまうわけだが。

いや、もういまさらパクリなんて気にするなよ。

あと、この二人の初対面時も、もうちょっと助け合うとかそういう描写にならなかったものなのか・・カガリが一人でわめいて空回りしまくっていただけですよ。
39話でアスランとキラが共闘することにはなんら異論はない。
相手が連合だし、NJCを搭載したフリーダムが連合の手に落ちるワケには行かない。 利害が一致(友情も踏まえて)した以上共闘するのはごく自然だ。
この後アスランはアークエンジェルが大気圏脱出するまでに離脱するべきだった。

その理由は3つ
・アスランは戦争に対して明確な信念を持っている。 仮にキラと同行するにしてももっと時間を置くべきではなかったのか。
・ジャスティスとフリーダムが組んだことで、同時期にストライクに乗り換えたフラガや、アークエンジェル側についたディアッカが全く目立たなくなった。 この二人ほとんど雑魚相手でしたから・・(´・ω・`)
・フリーダムvsジャスティスが見たいわけよ。

父親の走狗になるわけでない、しかし信念を持って戦争をしているアスランは、疑問を持ちながらも自分で答えを出し、最終局面でフリーダムと共にプロヴィデンスと対峙するアスランが見たかったな。


K3さんはラクスに対してはちょっと深読みしすぎてたかなあ。
というのも魅力の1つでもある先見性や大義で動いている雰囲気がエターナル奪取後から、全く伏せられてしまい、ただのマスコットに成り下がってしまった。
この物語においてはラクスはやりすぎなくらい完璧超人である方が面白かったと思う。 それこそナタルもビックリなくらい名采配を見せてもらいたかったものである。(メンデル脱出の時、それっぽいところがあったけど)

あと、各所で言われていることだが、ラクスがキラに魅かれた理由が謎。
可能性の1つとして、最高の遺伝子操作がされているキラはホルモンが異常にでているだとかそういうことも考えられる。
そもそもラクスにとってキラはどういう存在だったのか。

ライフポッドを拾ってもらい、出会ったキラ。
連合に所属するコーディネイターで、ザフトでもトップガンであるクルーゼ隊を一人で退けるほどの能力の高さを持つが、自分の同胞と戦うことに疑問を持っている少年。 恐らくは当時から「コトがあれば決起する」と考えていたラクスにとっては、正に道端に転がっていたダイヤモンド。
もちろんアスランにもツバは付けていただろうが、その戦争に参加する理由を知るラクスにとっては味方に引き入れるのは難しい存在であっただろう。
そんな中、味方に引き入れれそうで能力は破格の高さ。
アスランの親友というおまけまでついて目の前に現れたキラ。
もうヨダレ無しでは見られまい。
その後傷ついたキラを捕獲保護したとマルキオ導士から聞いたときは、アズラエルばりにヤッタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!! とか言ったに違いない。
あとは、あの手この手でキラを洗脳し、TVの通り。
なんか、これって誰かに似てるな〜とおもったら、フレイにそっくり。
そう、ラクスとフレイって実は中身は同じだったわけだ。

ラクスがラスボス、という予想はラクスが第三勢力として登場し、連合&ザフトの驚異となり、いつしか連合とザフトが手を結ぶように仕向けていくのではないかと思ったからだ。
この時点でキラ×ラクスのハッピーエンドは無くなってしまうが、両者感情むき出しの憎しみ合いの戦争の落とし所としては、こういうコトでもしなければどうしようもなかったと思う。
戦争を止める、でも誰も殺したくない。
プラントを出るまでの行動力はよかったけれど、その覚悟はやはり足りなかったとしか言い様がないだろう。
最後の「ザフトはジェネシスを停止してください」なんてセリフにはガッカリだ。


フレイが戦争に翻弄されたヒロインなら、カガリは脚本に翻弄されたヒロインだろう。
まずはオーブの姫君がレジスタンスに参加している時点で説得力がない。

時間的にはヘリオポリスでGを見たあとに参加したのだと思われるが、ヘリオポリスから砂漠までは多く見積もっても二ヶ月足らず。 カガリの脱出ポッドがオーブか連合に拾われたとしても、あんなところまで行くにはゆうに3週間はかかると思う。(しかもその間キサカと合流している)
そうなるとキラと会ったときは、カガリはレジスタンスに参加して一ヶ月程度のはずなのだが、そのそぶりが無い。
あまりよそ者を好かないはずの「暁の砂漠」にしては変だ。
考えられる点は、「暁の砂漠」にオーブが資金提供していた、キサカと「暁の砂漠」の大将が戦友だった。ってあたり。
前者はカガリが聞いたら激怒しそうな話だけど、一番現実的か。

どちらにせよ「ぼちぼち登場させないといけないから、レジスタンスに参加させておくか」程度に配置されたとしか思えない。
あとはアークエンジェル同行時もオーブ攻防戦の時も無力さを痛感するだけだった。 しかも特に反省していないし。
最終戦でルージュに乗ったのも、アスランの脱出ポッド的な役割とラストカットのためだけであり、カガリの性格を考慮するならとっくにM1で出撃しているはずだ。

泣き虫になったり、意味もなく強気だったり、脚本の都合のいいように操られた、ある意味悲劇のヒロインとも言える。


フレイも砂漠の時あたりの魅力は素晴らしかったのに、なぜあのテンションを最後まで持続させてくれなかったのか。
ああいう「美しいバラにはトゲ」みたいなキャラの立ち方をしているのだから、最後までそれを徹底させるべきだった。

ザフトで捕虜になっている間に何かあったのか?
キャラ名鑑で「極度の依存症」と書きましたが、結局その依存はアークエンジェルに回帰するしかなかったのか。
K3さん的には、もっとはちゃけて、ブルーコスモスの中でステップアップしていくフレイが見たかったと思う。
育て方でクルーゼやアズラエル以上の大物になりえただけに残念。
散り方も落とし所がわからなくなってしまった感が強い。


正直クルーゼがラスボスというのは、ものすごい肩透かしであった。 というのも彼は物語においてほとんど裏役に徹しており、パイロットとして表立って活動することはなかった。
何より、キラと過去二回戦うも、二回とも見せ場無くやられちまっているのだ。
こんなヤツがラスボスで良いものなのか?

クルーゼは最後のジェネシスvs核ミサイルを演出した時点で、フラガに撃たれるべきだったと思う。 SEEDの視聴者のほとんどはクルーゼのライバルはフラガであり、キラでは無いという認識だと思う。
それを最後の最後でガンダムに乗って恨み言をベラベラベラベラ(怒) コイツはシャアのオマージュと思われたけど、実はガンダムXのフロスト兄弟だったわけだ。
しかもフロスト兄弟より薄っぺらい。(Xはガロードの成長と対比するようにフロスト兄弟の出世具合が面白かった)

K3さん的には、ラスボスはキラと同じような「究極のコーディネイター」がもう一人出てきたほうがキラとの因縁や、生み出された命としてのクルーゼとの共感などザフト側にもう少し深みを与えられたのではないかと思う。 実際人工受胎と人工母胎の研究はザフトでも行われていたみたいだし。
クルーゼってキラの存在が疎ましい(同じ博士から生み出された命で、自分は失敗作、キラは成功作だったことからの劣等感?)はずなんですけど、劇中ほとんどその描写がなかったので、後付け設定くさい。


無駄に喋る割には、横のつながりが皆無に等しいガンダムSEED。
メインキャラばっかりにスポットライトが当たり、サブキャラにはほとんど目立つところが無かった。

ディアッカを例にとってみよう。 彼は最後までどれだけの人と会話しただろうか?
イザーク、ミリアリア、ニコル、バルドフェルド、フラガ(一言だけ)、キラ(一言だけ)、アスラン(一言だけ)、マードック(口パク)
最初から最後まで登場し続けたキャラでさえこれだ。
物語を進行するのはメインキャラだが、広がりを与えるのはサブキャラなのだ。 キラがアスランラブなのも、アスランがキラきゅんラブラブなのも怒濤の回想シーンでよくわかっているし、劇中も無駄にいちゃいちゃしっぱなしだ。 もういい。
そんなことに時間を割くくらいなら、愛すべきサブキャラ達にもっとスポットライトと見せ場を提供してもらいたかった。

ヒロイン同士の会話も、最終話のカガリとラクスのやりとりくらいしか記憶に無い。 フレイ×ラクス、フレイ×カガリってなんか話してたっけ?
一番の問題は、最大限にスポットライトが当たっていた主人公達が、想像以上にスッカラカンだったってコト。(だから回想しか出来ない)


待機状態では一言も喋らず、戦闘になると「だー」とか「メッサツ!」とか「うらー」しか喋らず個性死にまくり。
オルガならば小説を読んでいるという設定を活かして、状況に応じて小説から引用する様なセリフを言ったり、クロトも戦闘はゲーム感覚「やったねハイスコア」みたいなセリフも考えられただろう(クロトは抹殺とか言ってたので、まだましだが)
もちろんシャニも、リズムに乗って敵を撃破していくなど個性の付け方はいくらでもあったわけだし、散り際も相応の演出が出来たはず。

また、この三人には「強化」されたという、もう一つの戦争の被害者的な側面があったにも関わらず、あまり触れられずに終わっている。
45話にオルガが、49話にクロトがそれっぽいことを喋っているが、あまりクローズアップされていないんだよね。

外伝では連合のコーディネイター「ソキウス」というのが、三馬鹿と同じような存在なんですけど、2エピソードに渡ってしっかり描かれているのが印象的だっただけに落差に物凄いものがあります。
この三人には、もっと成長して欲しかった。 連携を覚えてキラ&アスランに肉薄するくらいに。 いくらでも考えようがあっただろう。


元々この戦争の引き金を引いたのは連合の核兵器(おそらくはブルーコスモス) その報復としてザフトが地球に侵攻するわけなのだが、開戦時はコーディネイターを殲滅するのが目的ではなかったはずだ。
というか、殲滅目的は戦争とは呼べない虐殺。 それを非ブルーコスモスであろう連合のトップが許したのかどうかかなり疑問。
一方的に仕掛けておいて、仕返しされたから「ヤツラは危険だ」というのは逆ギレも甚だしい。ガキのケンカか。

こんな感じで感情丸出しで戦争しているものだから、末端の兵士のモラルも最悪で、捕虜の虐殺なんて平気でやるし、味方ごとにっくきアンチクショウどもを殺戮できる。 最終二話で両軍のトップは倒れたものの、それで兵士が一人残らず改心するはずもなく、仮に戦争がこれで終結したとしても、この後は悲惨なゲリラ活動やテロが横行するのは想像に難くない。(今のイラクを見れば一目瞭然)

日記で区切りとは書いたが、それはあくまで「主人公キラ・ヤマト」の区切りであり、物語全体の区切りではない。
「戦争の悲惨さをリアルに描く」というのがコンセプトだったはずなのに、もっとも重要な戦後。 特に両軍憎しみMAXになっているところを収める過程が完全にスポイルしているとこのどこがリアルなのか。


ラクスの口癖で、キラにも伝染したこのセリフ。 第三勢力として登場した彼らは一体何と戦っていたのか?

曖昧な表現をするなら「人の憎しみ、人の欲望」
だからこそ、憎しみで引かれる引き金、つまりはMSの戦闘能力や、ジェネシス、核兵器を優先的に破壊していたわけだが、パッと見では「戦争の首謀者を止めるor殺す」に終始していたようにも思える。
実際は追われっぱなしのその場しのぎで戦ってただけでした。


SEEDの気に入らない点の1つとして、核兵器の扱いがあります。
核兵器の怖いところは破壊力はもちろんのこと、その後の放射能汚染だ。
過去のガンダムシリーズでも核兵器は登場していたが、どれだけ忌むべき存在であるかは重ねて言及されてきた。(最たるはターンA。「天を焼く剣」と表現したのは見事) それが、SEED世界ではただの強力なミサイル程度に成り下がっている。

ガンダムで核兵器を用いるときの一のメッセージとして、核装備した世界へのアンチテーゼがある。 隠されたメッセージをスポイルし、表面上の「破壊力の高い核兵器」だけを流用しているようなマネしか出来ないから、パクってもポーズだけといわれるのだ。

「戦争をリアルに描く」というのが目的の一つだった割にはこういう重要なファクターを見事にスポイルしているのは・・・

結局ガンダムSEEDって無駄にリアリティを求める割には、視聴者の一番目に付くところには全くリアリティが無かったのがダメなところ。
こういう流れなら、(良い意味で)ナデシコくらいに割り切ってしまった方が、素直に楽しめたのではないでしょうか。
この文章を書きながらキンケドゥのセリフ思いだしてしまった。

「マシンが良くても、パイロットがその性能を引き出せなければ!」
2003.10.4 e-flick.net